日本経済の不況の原因
日本経済はバブル崩壊後の1990年代から今も長期不況に陥っている。その長期不況を解決するために、日本政府はゼロ金利政策、赤字財政政策などの景気対策をとっているが、日本経済はまだ回復していない。その対策をさらに効果的に実施するためには、その不成功の原因は調べておくことは必要ではないか。そこで、この章ではその不況の原因が総需要の問題と総供給の問題であるとする2つの仮説を立てる。
まず、長期不況の原因は総供給だとしよう。このところ、日本社会に老齢化が進んでいる。この老齢化は経済的な影響をもたらしている。まず、老齢化が進んでいるために、日本経済の労働力が不足になっている。したがって、財∙サービスの供給が不足になっている。そのため、日本経済は輸入に依存するところがますます大きくなっている。そこで、貿易収支は赤字になった。この結果、安い商品が外国から日本に入り、内外価格差が大きいため、デフレの問題が発生したと考えられる。
次は総需要の問題であるとする考え方である。90年代の初めから地価や株価といった資本価格が急落した。こうしたバブルの崩壊は、実体経済へ大きな影響を及ぼした。バブル崩壊後は、不良債権、景気の長期低迷、製造業や金融の空洞化の影響で日本経済は以前のように安定していない。国民は経済の不安定さを感じれば感じるほど、さらに貯金する。つまり、消費が減少するのである。また、物価が下がるにつれて、国民の資産は急に減少した。それで、消費も投資も低下し、日本経済は経済後退に陥ることになった。それに対して、日本政府は日本経済の景気を良くするために、財政事情が急速に悪化するほど減税や財政支出増などの景気対策を行った。しかしながら、その景気政策は有効ではないと思われている。1995年度末の国債の発行残高は220兆円を超えた。
以上、日本経済の不況の原因についての仮説である。どちらが主な原因か、また実際に作用しあっているかどうかを、さらに調べなければならない。
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